ansnam蝋含浸ジャケットアンスナム

¥6580

(税込) 送料込み

商品の説明

カラー...ブラック
柄・デザイン...無地
素材...コットン
アウター形...シングル
季節感...春, 秋, 冬

定価14万ほど。
あたりができやすい生地になりますし、あたりができることが前提の生地感なのでアルチザンに理解ある方以外は向かないかもしれません。
現行より生地の制作には凝っていたのでお探しの方はどうぞ。
以下は当時のデザイナーの説明になります。

二枚の生地を同時に織り進めながら、それらを接結糸で繋ぎ合わせ一枚の生地にします。これがいわゆる二重織やダブルフェイスといった類の製法になります。他にも色々な製法がありますが、目指す風合いに合わせて選んだり。
上下で重なった生地の断面は中空の状態にあるので、軽くて張りがあります。また、柔らかいウールやカシミアと違い、綿でしかも超高密度に織られたこの生地は、接合する上下の微差に依るテンションが逃げ場を与えられず、生地のシボとなって表面に浮き出します。
そんな生地はそのまま仕立てても十分良かったのですが、今回はさらにもう一歩、その向こう側へ。
蝋含浸加工。
この加工を開発した職人さんの話はまたいつか。この、ロウガンシンカコウは、よく耳にする蝋引きとは違います。だいぶ。蝋引きはいわゆるwax coatedであり、表面に蝋を塗り、膜を作ります。対してこの蝋含浸 wax impregnatedは、溶かした蝋を槽に貯め、どっぷりと沈めて浸からせます。
そうして上がってきた生地は、硬化したような、独特のドライな手触りになります。
蝋がムラになり、白っぽくなる箇所がありますが、「この加工独自のものですので、その風合いをお楽しみください」。蝋のみではなく、物性を安定させる薬剤も混ぜて加工しておりますので、落ちてヌメる事は(そんなに)ありません。
そこからやっと仕立てに入ります。このこわばった硬くて扱いづらい生地を素知らぬ顔で、スッと職人さんに渡します。本当にすみません。
こうして完成した服はそのまま納品するのではなく、さらにもう一工程。アトリエ近くのコインランドリーで洗いを掛けます。手前のコンビニでコーヒーを買って小銭を作り、それをランドリーマシーンに投入。まずは何も入れず空のまま回し、五分待機して、服を入れます。この5分の差だけで意図した生地の風合いが変わってしまいます。